現金給与総額は0.1%増― 毎月勤労統計28年10月分結果速報

 厚生労働省は12月6日、毎月勤労統計調査平成28年10月分の結果速報を公表しました。それによりますと現金給与総額は前年同月と比べて0.1%増とされています。賃上げの時期でもないのに?と思われた方もいるかもしれませんね。中身をみてみると、一般労働者は前年同月と同水準であった一方、パートタイム労働者は0.2%の増加とされています。パートさんの給与総額が増加したのが要因でした。

 東京都の場合本年10月1日から地域別最低賃金が907円から932円(25円2.7%)へと引き上げられています。このことが要因のひとつと考えられます。最低賃金の引き上げにまだ対応されていない事業所さんは至急対応されることをお勧めいたします。都道府県により適用日もすこし違っていますので、ご確認ください。

精神疾患の労災 30代が多く若年労働者層の対策が必要

長時間労働やパワハラなどで精神疾患となり、労災認定された事案の発症時の平均年齢は39.0歳、年代別では30代が最多だったことが分かりました。心筋梗塞など脳・心臓疾患の労災事案では発症時の平均が49.3歳、最多は50代でした。これは、厚生労働省が過労死した労働者の遺族らで構成する協議会に示した資料で明らかになったものです。

 厚労省は仕事が原因の労災認定件数を年度ごとに公表していますが、今回は独立行政法人労働者健康安全機構が過労死の実態を調べるため、平成22年1月~27年3月の労災認定事案(精神疾患が計約2,000件、脳・心臓疾患が計約1,600件)を独自に分析し、発症年齢など、より詳しいデータをまとめたものです。

 機構の報告書は「若年労働者のメンタルヘルス対策の重要性が示唆された。脳・心臓疾患の死亡例も日本人の平均寿命より若くして亡くなっている。」と指摘しました。