定年後再雇用後の基本給6割以下は「違法」 自動車学校に賠償命令

 名古屋自動車学校で嘱託社員だった元教習指導員が、正社員との待遇格差の是正を求めた訴訟で、名古屋地裁は10月28日、「基本給が定年退職時の60%を下回るのは不合理で違法だ」として、自動車学校に約625万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。判決では定年退職時と嘱託時の職務内容に違いがなかったと認定しています。
 旧労働契約法20条をめぐる争いでは2年ほど前の長澤運輸事件の最高裁判決が有名ですが、このときは、定年後再雇用は考慮すべき「その他の事情」にあたり、正規と非正規(期間雇用)との差は不合理とはいえないとされました。この事例では社員給与の8割以上が支払われていた事例であり、その他の事情も含めて個別の案件の判断だとされましたが、それではいくら下げてもいいのかという疑問には答えていませんでした。
 今回の判例は地裁での判断ではあるものの、6割以下は不合理であり違法とした点に意義があります。賞与についても同様の判断をしています。同一労働同一賃金が言われている中「60%という数字は一つの基準になるだろう」(水町勇一郎東大教授)という声もあります。職務内容がまったく同じで再雇用するときは参考にすべきとおもわれます。

転職者がいる事業所の割合 令和7年は38.2%(5年前は33.0%)(厚労省)

厚生労働省から、令和7(2025)年「転職者実態調査」の結果が公表されました(令和8年9月25日公表)。

この調査は、転職者の就業実態及び意識を受入事業所側、転職者側の両面から把握することを目的とし、5人以上の常用労働者を雇用する事業所とそこで働く転職者を対象に、令和7(2025)年10月1日現在の状況について実施されたものです(有効回答数は、9,154事業所・7,310人)。

なお、前回調査は、令和2(2020)年に実施されています。

調査結果のポイントは、次のとおりです。

【事業所調査】
1. 「一般労働者(いわゆるフルタイム労働者)がいる事業所」のうち、「転職者がいる事業所」割合は38.2%(前回調査33.0%)であり、「雇用期間の定め無しの転職者がいる事業所」は33.4%(同28.9%)、「1年以上の雇用期間の定め有りの転職者がいる事業所」は11.0%(同8.7%)となっている。

2. 転職者を採用した理由(3つまでの複数回答)は、「管理的な仕事」及び「専門的・技術的な仕事」は、「経験を活かし即戦力になるから」及び「専門知識・能力があるから」の割合が多く、その他の職種は「離職者の補充のため」の割合が多い。

3. 今後3年間に「転職者を採用する予定がある」事業所割合は63.6%であり、このうち、「転職者を優先して採用したい」が40.0%、「新規学卒者を優先して採用したい」が9.8%となっている。

【個人調査】
1. 転職者が現在の勤め先を選んだ理由(3つまでの複数回答)は、「仕事の内容・職種に満足がいくから」が40.2%で最も多く、次いで「自分の技能・能力が活かせるから」が38.4%、「労働条件(賃金以外)がよいから」が23.1%となっている。

2. 転職者の現在の勤め先における職業生活全体の満足度D.I.(「満足」又は「やや満足」と回答した転職者の割合から、「不満」又は「やや不満」と回答した転職者の割合を差し引いた値)は、44.0ポイントであり、性別でみると男が45.8ポイント、女が42.2ポイント、現在の勤め先の就業形態でみると正社員が43.3ポイント、正社員以外が50.5ポイントとなっている。

詳しくは、こちらをご覧ください。

<令和7年 転職者実態調査の概況>
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/6-18c-r07.html

労働争議の件数 長期的には減少傾向も令和元年以降はほぼ横ばいで推移

厚生労働省から、「令和7年 労働争議統計調査の概況」が公表されました(令和8年8月3日公表)。

この調査では、対象となる労働争議(労働組合や労働者の団体とその相手方との間で生じた紛争)を「総争議」といい、争議行為が現実に発生した「争議行為を伴う争議」と、解決のために労働委員会等第三者が関与した「争議行為を伴わない争議」とに大別しています。

今回(令和7年)の調査結果のポイントは次のとおりです。

1. 労働争議の種類別の状況
○「総争議」の件数は295件(前回令和6年調査278件)で、前年に比べ増加。長期的には減少傾向であるが、令和元年以降はほぼ横ばいで推移。
○このうち、「争議行為を伴う争議」の件数は77件(同76件)、「争議行為を伴わない争議」の件数は218件(同202件)。

2. 労働争議の主要要求事項の状況(主要要求事項2つまでの複数回答)
○「賃金」に関するものが178件(同154件)で、総争議件数の60.3%と最も多い。
○次いで「組合保障及び労働協約」に関するもの110件(同94件)、「経営・雇用・人事」に関するもの82件(同90件)。

3. 労働争議の解決状況
○令和7年中に解決した労働争議は218件(同218件)で、総争議件数の73.9%。
○このうち、「労使直接交渉による解決」は45件(同55件)、「第三者関与による解決」は68件(同54件)。

詳しくは、こちらをご覧ください。

<令和7(2025)年労働争議統計調査の概況>
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/14-r07.html

令和7年の職場における熱中症による死傷者数 1,803人で過去最多(厚労省)

厚生労働省から、令和7年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)」が公表されました(令和8年5月27日公表)。

これによると、令和7年における職場での熱中症による死傷者(死亡・休業4日以上)は、1,803人(前年比546人・約43%増)となり、統計開始以来最多となりました。

一方、熱中症による死亡者数は、19人(前年比12人・約39%減)となり、前年から減少しました。

同省では、それぞれの作業場で、令和7年6月1日から施行されている労働安全衛生規則(第612条の2)に基づき、

①熱中症のおそれがある作業者を早期に発見するための体制整備
②熱中症の重篤化を防止するための措置手順の作成
③上記①、②の体制や手順の関係作業者への周知

を行っていただき、熱中症の重篤化の防止等のための対策を取ることなどを呼びかけています。

詳しくは、こちらをご覧ください。

職場における熱中症防止に関するリーフレットやパンフレットなども紹介されています。
<令和7年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(確定値)を公表します>
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_73330.html

カスハラ、求職者セクハラの防止措置義務の内容も盛り込んだQ&Aが公表されました(厚労省)。

厚生労働省から、「ハラスメント防止措置義務規定等における解釈事項について 令和8年4月24日(令和8年10月1日適用)」が公表されています。

これは、Q&A集となっており、令和8年10月1日施行のカスハラ防止措置義務と求職者セクハラ防止措置義務に関するQ&Aも盛り込まれています。

詳しくは、こちらをご覧ください。

<ハラスメント防止措置義務規定等における解釈事項について(令和8年10月1日施行のカスハラと求職者セクハラの措置義務に関するQ&A)>
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001695619.pdf

なお、令和8年10月1日施行のカスハラ防止措置義務と求職者セクハラ防止措置義務の内容を盛り込んだ通達も公表されています。

詳しくは、こちらをご覧ください。

<雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の施行について>
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001695579.pdf

<労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律第10章の規定等の運用について>
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001695607.pdf

「特別休暇制度導入事例集2025」などを公表(働き方・休み方改善ポータルサイト)

「働き方・休み方改善ポータルサイト(厚生労働省の委託事業)」では、企業の皆様が自社の社員の働き方・休み方の見直しや改善に役立つ情報を提供しています。

このサイトから、特別な休暇制度に関する令和7年度の参考資料として、次の事例集・パンフレットなどが公表されました。

・特別休暇制度導入事例集2025
・特別休暇制度パンフレット2025
・病気休暇制度周知リーフレット(令和7年度)
・犯罪被害者等の被害回復のための休暇制度周知リーフレット(令和7年度)

同サイトでは、「ご自由に印刷して頂き、社内等でご活用ください」と呼びかけています。詳しくは、こちらをご覧ください。

<特別休暇制度導入事例集2025、特別休暇制度パンフレット2025、病気休暇制度周知リーフレット、犯罪被害者等の被害回復のための休暇制度周知リーフレットを掲載しました>
https://work-holiday.mhlw.go.jp/material/category4.html

建設業者向けに各退職金制度の概要をまとめたチラシを公表(国交省)

国土交通省から、「退職金制度で建設技能者の処遇改善へ!~建設業者向けに各退職金制度の概要をまとめたチラシを公表~」とのお知らせがありました(令和8年3月16日公表)。

退職金制度は、建設技能者の退職後の生活を支えるための資金を確保するものであり、担い手の確保や企業への人材定着につながるものとなっています。そこで、建設業者向けに、退職金制度の導入検討や自社の退職金制度の見直しの参考となるよう、このチラシを公表したということです。

チラシの概要は、次のとおりです。

○退職金制度の必要性について

○各種退職金制度の概要と制度の比較

【確定拠出型制度】
・建設業退職金共済制度(建退共)
・中小企業退職金共済制度(中退共)
・特定退職金共済制度(特退共)
・確定拠出年金制度(DC)

【確定給付型制度】
・退職一時金制度
・確定給付企業年金制度(DB)
【その他】
・小規模企業共済制度

○各退職金制度導入の相談先

詳しくは、こちらをご覧ください。

<退職金制度で建設技能者の処遇改善へ!~建設業者向けに各退職金制度の概要をまとめたチラシを公表~>
https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo14_hh_000001_00341.html

育児期間に係る国民年金保険料免除制度が令和8年10月から施行 周知のための事務連絡を公表(厚労省)

「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律(令和6年法律第47号)」による国民年金法の改正で、国民年金第1号被保険者の父母(養父母も含む。)ともに、養育する子が1歳になるまでの期間の保険料が免除される制度(育児期間に係る国民年金保険料免除制度度)が、令和8年10月1日から施行されます。

この新制度について、厚生労働省から、事務連絡が発出されました。広報資材として作成されたリーフレットとポスターも紹介されています。

詳しくは、こちらをご覧ください。

<国民年金第1号被保険者の育児期間に係る国民年金保険料免除制度の周知について(協力依頼)(令和8年3月6日事務連絡)
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T260310S0020.pdf

在職老齢年金制度 減額になる基準額を月51万円から月65万円に引き上げ(日本年金機構)

令和7年年金制度改正法(令和7年法律第74号)において、働き続けることを希望する高齢者の方の活躍を後押しし、より働きやすい仕組みとするため、在職老齢年金制度が改正されました。

これにより、令和8年4月から、年金が減額になる基準額(賃金と老齢厚生年金の合計)が、月48万円(改定規定により令和7年度価額は「月51万円」)から、月62万円(改定規定により令和8年度価額は「月65万円」)に引き上げられます。

この在職老齢年金制度の改正について、日本年金機構からお知らせがありました(令和8年2月13日公表)。

詳しくは、こちらをご覧ください。

在職老齢年金早見表や周知用のチラシも用意されています。

<[令和7年年金制度改正関係]在職老齢年金制度が改正されます>
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2026/202602/0213.html

外国人労働者数(令和7年10月末)は257万1,037人 過去最高を更新(厚労省)

厚生労働省から、「外国人雇用状況の届出状況まとめ(令和7年10月末現在)」が公表されました(令和8年1月30日公表)。

外国人雇用状況の届出制度は、いわゆる労働施策総合推進法に基づくもので、外国人労働者の雇用管理の改善や再就職支援などを目的とし、すべての事業主に、外国人の雇入れ・離職時に、氏名、在留資格、在留期間などを確認し、厚生労働大臣(ハローワーク)へ届け出ることを義務付けるものです。

届出の対象は、事業主に雇用される外国人労働者(特別永住者、在留資格「外交」・「公用」の者を除く。)であり、今回公表された数値は、令和7年10月末時点での事業主からの届出件数を集計したものです。

そのポイントは、次のとおりです。

●外国人労働者数は257万1,037人で前年比26万8,450人増加し、届出が義務化された平成19年以降、過去最多。
対前年増加率は11.7%と前年の12.4%から0.7ポイント減少。

●外国人を雇用する事業所数は37万1,215所で、前年比2万9,128所増加、届出義務化以降、過去最多。
対前年増加率は8.5%と前年の7.3%から1.2ポイント上昇。

●国籍別では、ベトナムが最も多く60万5,906人(外国人労働者数全体の23.6%)、次いで中国43万1,949人(同16.8%)、フィリピン26万0,869人(同10.1%)など。

●在留資格別では、「専門的・技術的分野の在留資格」が最も多く86万5,588人(前年比146,776人(20.4%)増加)、次いで「身分に基づく在留資格」が64万5,590人(前年比16,473人(2.6%)増加)、「技能実習」が49万9,394人(前年比28,669人(6.1%)増加)など。

詳しくは、こちらをご覧ください。

<「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)>
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_68794.html

厚生労働大臣会見概要 労働時間規制緩和などに関する質疑に応答

厚生労働省では、厚生労働大臣の記者会見を毎週2回(通常、火曜日と金曜日)実施し、その概要を公表しています。

令和7年12月26日の会見では、労働時間規制緩和についても質疑がありました。

厚生労働大臣がどのように応答したのか、確認しておきましょう。

記者:働き方改革について伺います。令和7年12月24日の第2回日本成長戦略会議では、働き方改革について厚生労働大臣を分科会長とする労働市場改革分科会で議論を進める方針が示されました。

高市首相から指示のあった労働時間規制緩和については、当該分科会ではどのように議論を進めていくのでしょうか。

また、労働市場改革分科会での議論や結論は、現在進行中の労働政策審議会労働条件分科会の議論にどのような影響を与えるとお考えでしょうか。

大臣:先日24日に開催された第2回日本成長戦略会議において、今後、私を分科会長とする労働市場改革分科会が設けられました。

ここにおいては、生産性の高い分野への円滑な労働移動や働き方改革を含めた労働市場改革について、議論を行うこととされています。

今後行われるこの分科会での議論の状況も踏まえて、また、労働政策審議会において、公労使の委員の皆様にも具体的に議論いただきたいと考えています。

令和8年通常国会での法案提出は、現在のところ考えていませんが、今後、必要な中身について具体的に検討を進めていきたいと考えています。

詳しくは、こちらをご覧ください。

<厚生労働大臣会見概要(令和7年12月26日)>
https://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/daijin/0000194708_00887.html