初任給「前年から引き上げた」と回答した企業は約3割(経団連の調査)

 経団連(日本経済団体連合会)から、「2021年3月卒新規学卒者決定初任給調査結果の概要」が公表されました。

 この調査は、新規学卒者の初任給の実態と動向を把握し、今後の初任給対策の参考とするために1952年より毎年実施されているものです。
 今回公表されたのは、2021年6月30日~8月31日に実施されたもので、有効回答があった473社の結果を集計したものです。

 たとえば、次のような調査結果が明らかにされています。
・初任給決定にあたって最も考慮した判断要因
 「世間相場」(27.9%)が最も多く、これに「在籍者とのバランスや新卒者の職務価値」(22.9%)が続いている傾向に変わりはありません。
 一方、「人材を確保する観点」(14.4%)と「賃金交渉の結果による配分」(9.8%)は2年連続で減少し、「企業業績を勘案」(8.9%)が2019年(4.3%)から倍増するなどの変化もみられます。
・初任給の決定状況
 「前年の初任給から引き上げた」と回答した企業は29.9%(前年比12.7ポイント減)となり、3年連続で低下したものの、約3割に上っている。
 初任給を「引き上げた」企業の内訳をみると、「求人賃金として前年の初任給を示したが、賃金改定後引き上げた」との回答(77.9%)が最も多く、「求人賃金として前年の初任給より高いものを示した」が22.1%などとなっています。