無期転換の権利が生じた人のうち権利を行使したのは3割弱

 厚生労働省から、「令和2年有期労働契約に関する実態調査(事業所調査)」及び「令和3年有期労働契約に関する実態調査(個人調査)」の調査結果が公表されました。次のような調査結果が、報道でも話題になっています。
・令和2年有期労働契約に関する実態調査(事業所調査)について
 労働契約法における無期転換ルールについて、平成30年度・31年度合算で「無期転換ルールによる無期転換を申込む権利が生じた人」のうち、「無期転換を申込む権利を行使した人」の割合は、「27.8%」。
 なお、無期転換ルールにより無期転換を申込む権利を行使した人の割合を企業規模別にみると、「1,000人以上」39.9%、「300~999人」22.2%、「100~299人」22.3%、「30~99人」17.1%、「5~29人」8.6%となっています。
・令和3年有期労働契約に関する実態調査(個人調査)について
 有期契約労働者の労働契約法における無期転換ルールに関する知識について、いずれか1つでも知っていると回答した割合(「無期転換ルールに関して知っている内容がある」割合)は「38.5%」。
 なお、無期転換ルールについて知っている内容(複数回答)については、「契約社員やパート、アルバイト、再雇用者など呼称を問わず、すべての労働者に適用される」が68.9%と最も高く、次いで「契約期間を通算して5年を超えても、労働者から「申込み」を行わなければ無期転換されない」が51.9%、「無期転換ルールが適用されるのは、平成25年4月1日以降に開始(更新)された有期労働契約である」が46.0%などとなっています。
 無期転換の権利が生じた人のうちその権利を行使したのは、27.8%と3割に満たない結果となっています。特に、事業規模が小さい企業では、権利を行使した人の割合が1割を切っています。