残業代の減少幅が過去最大に

 5月28日厚生労働省が発表した毎月勤労統計調査によると、2020年度の月額所定外給与(残業代)は、前年度比で1人当たり13.3%減の1万7028円でした。これは、比較可能な13年度以降で最大の減少幅となります。新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言で、飲食業などを中心に休業や営業短縮を余儀なくされたことが影響していると思われます。
 所定外給与を業種別にみると、コロナ禍で苦境に立った宿泊業・飲食サービス業(38.1%減)や生活関連サービス業・娯楽業(36.9%減)の落ち込みが目立ちます。製造業も18.8%減でした。
 全産業の所定外労働時間(残業時間)は13.9%減の9.0時間と、こちらも1991年度以降で最大の減少幅でした。
 基本給や残業代を合わせた月間現金給与総額は1.5%減の31万8081円で、8年ぶりに減少しました。勤務形態別では、一般労働者が1.9%減の41万6570円、パートタイム労働者は0.9%減の9万9083円でした。
 パート労働者が全労働者に占める割合は0.50ポイント減の31.01%と15年ぶりに減少しました。これは、雇用情勢が悪化した影響で採用が抑えられた可能性があるため、と考えられています。