名古屋自動車学校で嘱託社員だった元教習指導員が、正社員との待遇格差の是正を求めた訴訟で、名古屋地裁は10月28日、「基本給が定年退職時の60%を下回るのは不合理で違法だ」として、自動車学校に約625万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。判決では定年退職時と嘱託時の職務内容に違いがなかったと認定しています。
旧労働契約法20条をめぐる争いでは2年ほど前の長澤運輸事件の最高裁判決が有名ですが、このときは、定年後再雇用は考慮すべき「その他の事情」にあたり、正規と非正規(期間雇用)との差は不合理とはいえないとされました。この事例では社員給与の8割以上が支払われていた事例であり、その他の事情も含めて個別の案件の判断だとされましたが、それではいくら下げてもいいのかという疑問には答えていませんでした。
今回の判例は地裁での判断ではあるものの、6割以下は不合理であり違法とした点に意義があります。賞与についても同様の判断をしています。同一労働同一賃金が言われている中「60%という数字は一つの基準になるだろう」(水町勇一郎東大教授)という声もあります。職務内容がまったく同じで再雇用するときは参考にすべきとおもわれます。
建設業者向けに各退職金制度の概要をまとめたチラシを公表(国交省)
国土交通省から、「退職金制度で建設技能者の処遇改善へ!~建設業者向けに各退職金制度の概要をまとめたチラシを公表~」とのお知らせがありました(令和8年3月16日公表)。
退職金制度は、建設技能者の退職後の生活を支えるための資金を確保するものであり、担い手の確保や企業への人材定着につながるものとなっています。そこで、建設業者向けに、退職金制度の導入検討や自社の退職金制度の見直しの参考となるよう、このチラシを公表したということです。
チラシの概要は、次のとおりです。
○退職金制度の必要性について
○各種退職金制度の概要と制度の比較
【確定拠出型制度】
・建設業退職金共済制度(建退共)
・中小企業退職金共済制度(中退共)
・特定退職金共済制度(特退共)
・確定拠出年金制度(DC)
【確定給付型制度】
・退職一時金制度
・確定給付企業年金制度(DB)
【その他】
・小規模企業共済制度
○各退職金制度導入の相談先
詳しくは、こちらをご覧ください。
<退職金制度で建設技能者の処遇改善へ!~建設業者向けに各退職金制度の概要をまとめたチラシを公表~>
https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo14_hh_000001_00341.html
育児期間に係る国民年金保険料免除制度が令和8年10月から施行 周知のための事務連絡を公表(厚労省)
「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律(令和6年法律第47号)」による国民年金法の改正で、国民年金第1号被保険者の父母(養父母も含む。)ともに、養育する子が1歳になるまでの期間の保険料が免除される制度(育児期間に係る国民年金保険料免除制度度)が、令和8年10月1日から施行されます。
この新制度について、厚生労働省から、事務連絡が発出されました。広報資材として作成されたリーフレットとポスターも紹介されています。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<国民年金第1号被保険者の育児期間に係る国民年金保険料免除制度の周知について(協力依頼)(令和8年3月6日事務連絡)
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T260310S0020.pdf
在職老齢年金制度 減額になる基準額を月51万円から月65万円に引き上げ(日本年金機構)
令和7年年金制度改正法(令和7年法律第74号)において、働き続けることを希望する高齢者の方の活躍を後押しし、より働きやすい仕組みとするため、在職老齢年金制度が改正されました。
これにより、令和8年4月から、年金が減額になる基準額(賃金と老齢厚生年金の合計)が、月48万円(改定規定により令和7年度価額は「月51万円」)から、月62万円(改定規定により令和8年度価額は「月65万円」)に引き上げられます。
この在職老齢年金制度の改正について、日本年金機構からお知らせがありました(令和8年2月13日公表)。
詳しくは、こちらをご覧ください。
在職老齢年金早見表や周知用のチラシも用意されています。
<[令和7年年金制度改正関係]在職老齢年金制度が改正されます>
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2026/202602/0213.html
外国人労働者数(令和7年10月末)は257万1,037人 過去最高を更新(厚労省)
厚生労働省から、「外国人雇用状況の届出状況まとめ(令和7年10月末現在)」が公表されました(令和8年1月30日公表)。
外国人雇用状況の届出制度は、いわゆる労働施策総合推進法に基づくもので、外国人労働者の雇用管理の改善や再就職支援などを目的とし、すべての事業主に、外国人の雇入れ・離職時に、氏名、在留資格、在留期間などを確認し、厚生労働大臣(ハローワーク)へ届け出ることを義務付けるものです。
届出の対象は、事業主に雇用される外国人労働者(特別永住者、在留資格「外交」・「公用」の者を除く。)であり、今回公表された数値は、令和7年10月末時点での事業主からの届出件数を集計したものです。
そのポイントは、次のとおりです。
●外国人労働者数は257万1,037人で前年比26万8,450人増加し、届出が義務化された平成19年以降、過去最多。
対前年増加率は11.7%と前年の12.4%から0.7ポイント減少。
●外国人を雇用する事業所数は37万1,215所で、前年比2万9,128所増加、届出義務化以降、過去最多。
対前年増加率は8.5%と前年の7.3%から1.2ポイント上昇。
●国籍別では、ベトナムが最も多く60万5,906人(外国人労働者数全体の23.6%)、次いで中国43万1,949人(同16.8%)、フィリピン26万0,869人(同10.1%)など。
●在留資格別では、「専門的・技術的分野の在留資格」が最も多く86万5,588人(前年比146,776人(20.4%)増加)、次いで「身分に基づく在留資格」が64万5,590人(前年比16,473人(2.6%)増加)、「技能実習」が49万9,394人(前年比28,669人(6.1%)増加)など。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)>
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_68794.html
厚生労働大臣会見概要 労働時間規制緩和などに関する質疑に応答
厚生労働省では、厚生労働大臣の記者会見を毎週2回(通常、火曜日と金曜日)実施し、その概要を公表しています。
令和7年12月26日の会見では、労働時間規制緩和についても質疑がありました。
厚生労働大臣がどのように応答したのか、確認しておきましょう。
記者:働き方改革について伺います。令和7年12月24日の第2回日本成長戦略会議では、働き方改革について厚生労働大臣を分科会長とする労働市場改革分科会で議論を進める方針が示されました。
高市首相から指示のあった労働時間規制緩和については、当該分科会ではどのように議論を進めていくのでしょうか。
また、労働市場改革分科会での議論や結論は、現在進行中の労働政策審議会労働条件分科会の議論にどのような影響を与えるとお考えでしょうか。
大臣:先日24日に開催された第2回日本成長戦略会議において、今後、私を分科会長とする労働市場改革分科会が設けられました。
ここにおいては、生産性の高い分野への円滑な労働移動や働き方改革を含めた労働市場改革について、議論を行うこととされています。
今後行われるこの分科会での議論の状況も踏まえて、また、労働政策審議会において、公労使の委員の皆様にも具体的に議論いただきたいと考えています。
令和8年通常国会での法案提出は、現在のところ考えていませんが、今後、必要な中身について具体的に検討を進めていきたいと考えています。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<厚生労働大臣会見概要(令和7年12月26日)>
https://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/daijin/0000194708_00887.html
日本の時間当たり労働生産性 2025年の公表結果もOECD38か国中28位と低迷続く(日本生産性本部)
公益財団法人日本生産性本部から、「労働生産性の国際比較 2025」が公表されました(令和7年12月22日公表)。
これは、日本生産性本部が、経済協力開発機構(OECD)のデータベース等をもとに毎年分析・検証し、公表しているものです。
これによると、OECDデータに基づく2024年の日本の時間当たり労働生産性は、60.1ドル(5,720円)でした。
日本の順位は、OECD加盟38か国中28位。2018年(21位)から2020年(28位)にかけて急激に落ち込んでから回復しつつありましたが、2024年は再び28位となっています。
物価変動を調整した実質ベースの労働生産性上昇率が-0.6%(2024年・OECD加盟38か国中33位)で、2023年(+0.1%・同16位)から落ち込んだことが影響したようです。
来年の公表では、少しでも改善が進んでいるとよいですね。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<公益財団法人日本生産性本部「労働生産性の国際比較 2025」を公表>
https://www.jpc-net.jp/research/detail/007846.html
職場におけるハラスメント対策シンポジウムが開催されます。(あかるい職場応援団)
厚生労働省では、12月を「職場のハラスメント撲滅月間」と定め、ハラスメントのない職場環境づくりを進めるため、集中的な広報・啓発活動を実施しています。
令和7年の月間の広報・啓発活動の一環として、12月10日(水)に、「職場におけるハラスメント対策シンポジウム」を開催するとのお知らせがありました(あかるい職場応援団のHPにおいて、令和7年11月11日公表)。
今回のシンポジウムでは、行政説明、業界団体の取組事例の紹介、パネルディスカッションなどを行うということです(オンライン開催で、参加費は無料)。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<令和7年12月10日に「職場におけるハラスメント対策シンポジウム」をオンラインで開催します。参加申込み受付を開始しました>
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/symposium
法定休日・連続勤務規制、勤務間インターバル、つながらない権利について検討(労政審の労働条件分科会)
厚生労働省から、令和7年10月27日に開催された「第204回 労働政策審議会労働条件分科会」の資料が公表されました。
同分科会では、令和7年に入ってから、同年1月初旬にとりまとめられた労働基準関係法制研究会の報告書に基づいて「労働基準関係法制」について議論が進められています。
今回の分科会では、労働時間法制の具体的課題に関する検討の論点について、法定休日・連続勤務規制、勤務間インターバル、つながらない権利が取りあげられています。
また、議題には上がっていませんが、高市総理が厚生労働大臣に対し、心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和などの検討を指示したことについて、労働者側の委員が「働き方改革の逆行はあってはならない」などとけん制をしたようで、そのことが、報道などで話題になっています。
詳しくは、こちらをご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_65057.html
「令和6年改正育児・介護休業法に関するQ&A」令和7年9月24日版を公表 Q&Aを追加・修正(厚労省)
厚生労働省から、「令和6年改正育児・介護休業法に関するQ&A」の令和7年9月24日時点版が公表されました。
同日付で、5つのQ&Aが追加され、2つのQ&Aの一部が修正されました。
ここでは、追加されたQ&Aを一つ紹介しておきます。
🔹Q2-7-4
問 3歳以上小学校就学前までの子を養育する労働者に対して「柔軟な働き方を実現するための措置」として2つの措置を講じている事業主は、当該労働者が、講じた2つの措置の一方の措置を一定期間利用し、当該期間の経過後は他方の措置を利用したい旨を申し出た場合、これを認めなければいけませんか。
答 3歳以上小学校就学前までの子を養育する労働者は、事業主が講じた2つ以上の措置のうちいずれを利用するかを選択することができるところ、当該措置の利用開始後、当該労働者からの申出による変更を認めることは法律上特に義務付けられているものではないものの、他方で、措置の利用開始後に労働者の家庭や仕事の状況が変化する場合もあることから、当該労働者が選択した措置が当該労働者にとって適切であるかを確認すること等を目的として、定期的に面談等を実施することが望ましいとされています。
これを踏まえ、当該措置の利用開始後においても、定期的に労働者の家庭や仕事の状況を把握し、利用している措置が就業しつつ子を養育することを実質的に容易にする内容になっていない場合には、利用する措置の変更を含め柔軟に対応することが望ましいです。
詳しくは、こちらをご覧ください。
更新箇所には、下線・日付が示されていますので、ご確認ください。
<令和6年改正育児・介護休業法に関するQ&A(令和7年9月24日時点)>
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001567572.pdf
メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は63.2% そのうちストレスチェックを実施している事業所の割合は65.3%(令和6年の厚労省の調査)
厚生労働省から、「令和6年労働安全衛生調査(実態調査)結果の概況」が公表されました。(令和7年8月7日公表)。
この調査は、労働災害防止計画の重点施策を策定するための基礎資料とし、労働安全衛生行政運営の推進に資することを目的として行われているものです。
令和6年は、事業所が行っている安全衛生管理、労働災害防止活動及びそこで働く労働者の仕事や職業生活における不安やストレス等の実態について、常時労働者を10人以上雇用する民営事業所(約14,000事業所)並びに当該事業所に雇用される常用労働者及び受け入れた派遣労働者(約18,000人)を対象として調査が行われました(有効回答があった8,304事業所及び8,596人について集計)。
調査結果のポイントは次のとおりです。
●メンタルヘルス対策に関する状況 [事業所調査]
・過去1年間にメンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者又は退職した労働者がいた事業所の割合は12.8%(令和5年調査13.5%)
このうち連続1か月以上休業した労働者がいた事業所の割合は10.2%(同10.4%)、退職した労働者がいた事業所の割合は6.2%(同6.4%)。
・メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は63.2%(令和5年調査63.8%)。
事業所規模別にみると、労働者数50人以上の事業所で94.3%(同91.3%)、労働者数30~49人の事業所で69.1%(同71.8%)、労働者数10~29人の事業所で55.3%(同56.6%)
・メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所のうち、ストレスチェックを実施している事業所の割合は65.3%(令和5年調査65.0%)。
事業所規模別にみると、労働者数50人以上の事業所で89.8%(同89.6%)、労働者数30~49人の事業所で57.8%(同58.1%)、労働者数10~29人の事業所で58.1%(同58.6%)。
●長時間労働に関する状況 [個人調査]
・過去1年間に1か月間の時間外・休日労働が80時間を超えた月があった労働者の割合は、1.5%(令和5年調査2.2%)。
このうち、医師による面接指導の有無をみると1か月間の時間外・休日労働が80時間を超えたすべての月について医師による面接指導を受けた労働者の割合は12.6%(同6.1%)。
詳しくはこちらをご覧ください。
<令和6年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概況>
