労働争議の件数 過去2番目に低い水準(厚労省調査)

厚生労働省から、「令和4年 労働争議統計調査の概況」が公表されました(令和5年8月23日公表)。

この調査は、我が国における労働争議(労働組合や労働者の団体とその相手方との間で生じた紛争)について、その発生状況、争議行為の形態や参加人員、要求事項などを調査し、その実態を明らかにすることを目的としています。

令和4年の調査結果のポイントは、次のとおりです。
・労働争議の種類別の状況
令和4年の「総争議」の件数は270件(令和3年297件)で、令和元年に次いで過去2番目に低く、減少傾向です。

・労働争議の主要要求事項の状況
争議の主な要求事項(複数回答。主要要求事項を2つまで集計)は、「賃金」に関するもの139件(同150件)で、総争議件数の51.5%と最も多く、次いで「組合保障及び労働協約」に関するもの103件(同137件)、「経営・雇用・人事」に関するもの98件(同96件)でした。

・労働争議の解決状況
令和4年中に解決した労働争議は206件(同223件)で、総争議件数の76.3%でした。
そのうち「労使直接交渉による解決」は54件(同63件)、「第三者関与による解決」は68件(同77件)でした。

労働組合や組合員の数自体が減少傾向にあることから、労働争議も減少傾向にあるようです。

令和5年春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果を公表 賃上げ率は3%(経団連)

経団連(日本経済団体連合会)から、「2023年春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果(加重平均)」の最終集計が公表されました(令和5年8月10日公表)。

この調査は、地方別経済団体の協力により、従業員数500人未満の17業種754社を対象に実施。そのうち、集計可能な367社の結果をまとめたものとなっています。

中小企業といっても、ある程度の規模の企業が調査対象となっていますが、これによると、定期昇給を含む賃金の引上げ額は、平均で8,012円(前年の同調査5,036円)、賃上げ率は3.00%(前年の同調査1.92%)でした。昨年よりも額・率ともに大幅に増加しました。

しかし、先に公表された「2023年春季労使交渉・大手企業業種別妥結結果(加重平均)」の最終集計(引き上げ額13,362円、賃上げ率は3.99%)と比べると、賃上げ率でも1%近い差があります。